実験!Addictive Drums2でヒップホップトラックに合う太いドラムトラックは作れるのか?

こんにちは。

みなさん、ドラム音源は何を使っていますか。

私は数ヶ月前に、専用ドラム音源でパワーアップを図ろうと考え、Addictive Drums2 カスタムを導入したのですが、自分が作りたい音楽ジャンルに対して、どのドラムキットにすれば全くわからなくなり、迷いに迷った結果、

・あらゆる音楽ジャンルに対応可能と言われる万能型の「STUDIO POP」

・80年代のドラムマシンを収録した「Reel MACHINES」

・よくわからないけど良さそうだった「SESSION PERCUSSION」

の3つを選んだわけです。

そして、JPOPも作らず放置していたわけですが、なんとなく改めてメーカーのHPを見てみると、

なんと!

あのWu Tang ClanのRZAさんもAddictive Drums2を使っているみたいなんです。

Wu Tang Clanといえばヒップホップです。

ってことは…

Addictive Drums2を使って当然のようにJPOPの作曲をしようと思っていた私に、ふと、Addictive Drums2はヒップホップのトラックメイキングにも使えるんだろうか?という疑問が芽生えました。

HPにあるRZAさんのコメントからは、RZAさんが何のドラムキットを使っているのかまではわかりませんでしたが、

とりあえず自分が購入したドラムキットを使ってヒップホップトラックのドラムパートとしてAddictive Drums2が対応できるのか?という観点で、実験してみることにしたのです。

なお、「Reel MACHINES」は往年のドラムマシンの名機を収録した極上のコレクションですから、当然ヒップホップトラックメイキングに対応できるでしょうから、今回はあえて、ドラムキット「STUDIO POP」で挑戦してみることにしました。

1 ドラムキット「STUDIO POP」とは

メーカーHPによれば

「即戦力のポップスやロックのドラムサウンドが必要ですか?  Studio Popが全てをカバーします。」

「Sonor DesignerキットとSabianのシンバルで構成されています。」(メーカーHPから引用)

という説明がなされております。

ドラムのことよくわからないんですけど、有名なドラムキットのようです。

※このキットの実際の音はメーカーHPで是非確認してください。

https://h-resolution.com/product/addictive-drums-2-adpak-studio-pop/

さて、上記画面の下方にあるドラムセットの画像をクリックすると、18種類のプリセットが準備されています。

プリセットによって、同じドラムキットでもエフェクトのかかり方や、その他の設定によって様々な音色を奏でるわけです。

ということは、その設定の如何によってはヒップホップサウンドにも合うドラムサウンドができるのではないかと考えたわけです。

このような方法でRZAさんも使っているのかな等と想像を膨らませながらのチャレンジです。

2 ヒップホップサウンドにも合うドラムサウンドってなんなんだ?

さて、ヒップホップサウンドにも合うドラムサウンドといえば、みなさんは一体どんなサウンドが思い浮かびますか?

私としてはヒップホップトラックではよく、“太い音”とかいう単語がインターネット上で使われているのを日頃から目にしているものですから、とりあえず「“太いドラム”=ヒップホップサウンドに合うドラムサウンド」ということにして進めたいと思います。

でも“太い音”とか“太いドラム”ってよく使われているけれども、よく考えると意味がわからなくない。

音って空気の振動で目に見えないんだし、“太い”ってなんなんだ?っていう。

というわけで、まずは“太い音”ってなんなのさっていうところから検討しイメージが出来上がった段階で、Addictive Drums2の「STUDIO POP」のドラムサウンドを変身させていこうと思います。

3 “太い音”とは

自分の中では、太いドラムサウンドといえば、 なんとなくDr.DREさんしか思い浮かばないので、Dr.DREさんの楽曲を検証の対象としたいと思います。

参考曲は「WHAT’S THE DIFFERENCE Featuring Eminemu & Xzibit」のサウンドが太重そうな感じだったので、これにしました。

そして、私の才能では聴いただけでは“太い”という感覚がよくわからないので、テクノロジーの力を借りることにしました。

とりあえず、WavesのAnalyzerで見てみることにします。

さて、Dr.DREの楽曲でキックの音が鳴った瞬間付近のAnalyzerの画面はこんな感じでした。

62Hzから125Hzをピークにそれ以下の低域も十分な音量であることがわかりますね。

というわけで、以降はこの波形を頼りにAddictive Drums2上とDAW上での音作りをしてみます。

4 Addictive Drums上及びDAW上での設定

ここからはAnalyzerの画面だけを気にした結果、おかしな音になってしまったなんてことにならないよう、第一に自分の耳を頼りに調整し、その後に、Analyzerで確認するという方法をとります。

早速調整に取り掛かります。

まず、Addictive Drumsのリバーブなどのエフェクトは全てカットし、Volume EnvelopeやCOMP & DIST、EQを設定することにしました。

その結果、Addictive Drums上での調整画面はこのようになっております。

・Kick

・Snare

DAW上での設定については、EQ、Compressorで整えました。

さらにポイントとしてSnareにはWavesの「OneKnob Driver」で歪みを加え、Kickには同じくWavesの「RBass」で超低音の強化を図っております。

この結果、Analyzerはこのようになりました。

【私のトラック】

【DREのトラック】

いかがでしょうか。

曲の出来はともかく、オレンジの線だけで見れば、参考曲Dr.DRE「WHAT’S THE DIFFERENCE Featuring Eminemu & Xzibit」の状況とそこまで違いはなく、納得のいく結果を得ることができました。

では実際の完成曲をドラムサウンドに注目してお聴きください。以下リンクです。

5 まとめ

いかがでしたでしょうか。

太いのかどうかはよくわかりませんが、私としてはAddictive Drums2はヒップホップトラックメイキングにおいても問題なく対応可能であり、もともと音作りの幅も相当広い音源ですから、かなりの可能性を秘めた音源ではないかと考えています。

ワクワクするとしか言いようがありませんね。そして他のキットも欲しくなってくると感じるのは私だけでしょうか。

それでは、良いトラックメイキング生活をお送りください。