こんにちは。
今回はインストヒップホップ(BGM)の作り方に関して、私が個人的に考えた要件をご紹介いたします。
みなさんが作っているトラックもラップを入れなければインストヒップホップということになりますが、今回ご紹介するのは、BGMとして使えるインストヒップホップについてであります。
ラップ用とBGM用の違い
私の感覚がおかしければ申し訳ありませんが、ラップ用で作ったインスト状態のトラックとBGM用に作ったインストトラック確実に異なります。
例えば、ラップ用トラックというのは、
“聞いているだけでラップをしたくなるトラック”
BGM用のトラックというのは、
“邪魔をしないトラック”
というイメージです。
BGMというのは“バックグラウンドミュージック(背景音楽)”ということになりますから、背景で曲が流れているのを聞いて人々がラップしたくなってしまうようなトラックだと、BGMとしては失格なわけです。
そう考えれば、両者には明確な違いがあるということになりますね。
インストヒップホップ(BGM)を作る利点
ラップ用トラックを普段作っていると、いずれラッパーがいなければ何も始まらないという状態に陥る可能性があります。
これだと、趣味でやっているとはいえ、モチベーションの維持が難しくなる可能性があります。
また、ラップが乗ることを前提に作り続けていると、ラップありきのトラックしか作れなくなります。要するに表現の幅が広がらないということですね。
ラップ用トラック以外にも、BGMとして利用できるトラックを作ることができれば、活躍の場がまたひとつ増えるのではないかと私は思います。
例えば、みなさんも写真を撮ることがあると思いますが、その写真のスライドショーのBGMとして“MY インストヒップホップ”を使って、オリジナルスライドショーを作ることもできるのです。
BGMであれば、ドライブなんかで流すのも楽しいでしょうね。
ということで、インストヒップホップを作ることは、スキルアップや幸福度アップに期待ができるというわけです。
そしてインストヒップホップ(BGM)の要件は以下のとおり考えました。このイメージで作れば、普段とはまた違うものが出来上がるのではないかと思います。
インストヒップホップ(BGM)の要件
私が考えるインストヒップホップ(BGM)の要件は
【生活の邪魔をしないこと】
これに尽きると考えます。
では、これを表現するにはどうすればいいのかを以下に紹介します。
その1 特徴的なメロディを使わない
ラップ用トラックといえば、何度もループしたくなるようなメロディが必要ですけれども、それを使わないということです。
偉そうに言ってますが、私自身、そもそも何度もループしたくなるようなメロディなんて作れてないじゃないかという点はさて置き、BGMを作る際はなんの特徴もないメロディを打ち込むのです!
むしろそれなら何も考えなくてもできるという説や、そんなの作っていて楽しいのか?という疑問等、色々ありますが、とりあえず凡人が思いつくインストヒップホップ(BGM)の作り方なんてこんなものだということで進めます。
とにかく印象的なメロディを作ってしまった日には、ついついラップしたくなるような最高のトラックになってしまう可能性が高く、BGMとしては使えないものになってしまいますので注意(?)が必要です。
その2 おしゃれなコードで固める
とりあえず、3和音ではなく4和音以上のコードを使います。
コードの複雑な響きが、余計な音を増やさずとも曲を形にする助けとなります。
ただし、私だけかもしれませんが、コード進行は複雑にすればするほど、メロディにおいてどの音を使っていいのかわからなくなってしまう可能性があるので注意が必要です。
その3 変な音を使う
基本的にはシンプル構成となりますから、変な音を入れて個性を出しましょう。
私は今回、Native InstrumentsのKOMPLETE START でダウンロードした「KINETIC TREATS」をフィルインとして使いました。
その4 空間系エフェクトをたっぷりかける
音数が少ないので、リバーブやディレイをふんだんに使いましょう。
普段のトラックメイキングでは“かかっているかどうかわからないくらい”という目安で使い方をしていますが、今回はふんだんに使いました。
その5 これだけではつまらないので、自己満足要素を入れる
これらの作業は(作業って言っちゃってます)、邪魔しないようにというコンセプトで作ってますから、作っていて楽しくはなく、感動なんてできない可能性があります。
そこで重要なのは、やはり楽しむことということになります。
そうです。自己満足要素を取り入れるのです。
私はやはり、ハード系機材が大好きなので、とりあえずキックの音を我が伝説の愛機AKAI MPC 4000に一度取り込んで、PCに戻すという面倒くさい工程を経て、アナログ機材の音の重さ、1音の大切さ及び温かみを付加しました。
実際のところ音の変化はよくわかりませんが、自己満足要素を入れたことで、このインストトラックが自分なりの“こだわりの一品”に変化しました。
できあがった一品をご紹介
以上が、インストヒップホップ(BGM)作成時の要件となります。
もちろんこの要件の他にも色々なアプローチがあると思いますので、私も新しい方法やアプローチがあれば、またご紹介したいと思っています。
では、今回作成したインストヒップホップ(BGM)はこちらです。
「KINETIC TREATS」の変な音や、こだわりの“キック”についても注意してお聞きください(笑)。
それでは良いトラックメイキング生活をお送りください!