「ROLAND MC−909」を購入してから約2年後、順調にトラックメイクをしてきた私でしたが、自分に足りないものをずっと探してきました。
そこで以前からの愛読書である「RAP STYLE」のトラックメイクの基本が記されているコーナーに「ターンテーブルとミキサーだけでもよいトラックは作れる」との記載があることから、トラックメイクの原点はDJによるジャグリングなんだ、という個人的認識がありました。
トラックメイクがなかなか思い通りにいかない状態で、私は自分に足りない能力はDJの能力だという結論にいたりました。
そこで定職について最初のボーナスを頭金にするなどすれば、ある程度お金にも余裕が出てきたこともありましたので、思い切ってDJ機材を購入することにしました。
そこで少し迷ったのはアナログにするかCDJにするかというものでした。私は手汗を多い体質でして、アナログ盤に汗がついたらまずいなというリスクなども考え、これからアナログ盤を集める元気もないし、CDなら既にある程度持ってるし、ということでCDJにしようと決めたのでした。もちろんミキサーもセットで購入です。
休日を利用し某家電量販店に行き、さもDJ経験者かのような顔つきで、店員さんと軽く会話して、すぐに購入する運びとなりました。もちろん手汗については滴るほどでした。
私が選んだのはCDJでした
私の購入したCDJはテクニクス「SL-DZ1200」のセットで、ターンテーブルがアナログライクにクルクル回転するものでした。
それも商品の説明に「アナログ1200シリーズで培ったターンテーブル技術をDJの高まり、変化に対応、プラッターを自走式に仕上げDJプレイをいわばアナログ感覚で思うがままにパフォーマンスできます。」とのことだったので、CDでアナログ感覚を得られるのなら、自分のニーズを全て満たすと考えたからです。
実際にも細かい話をすれば、色々違うものですが、アナログ感覚を知らなかった私にとってはアナログのターンテーブルを操作するかのような経験もし、それでスクラッチやジャグリングの練習をしたり、ミックスCDの制作をしたりと、有意義なDJライフを過ごすことができました。
愛読書RAP STYLEに記されていたとおり、DJがジャグリングをしてラッパーがラップをするというのも、決まればかっこいいんだろうなぁという想像もできました。
特にミックスCDの制作においては、曲の選曲を独学により学んだり、BPMの感覚が身についたり、必然的に多くの音楽を聴いて選曲することになるので、音楽的な感覚が磨かれたのではないかと思います。
多くの紙幣を失いましたが、ヒップホップのトラックメイクをする上で、非常に多くのものも得ることができたのではないかと思います。
そしてDJに興味を持つにしたがい、アナログDJへの想いも高まっていくのでした。
あとがき
物欲ってものは尽きることがありませんが、今思えば物欲の強さは、好奇心の強さに比例するのかもしれませんね。
“ヒップホップトラックを作るための機材の話(テクニクスSL-DZ1200編)” への1件のフィードバック