こんにちは。

いきなりですが、ヒップホップトラックのざらついた感じだったり、サンプルが不自然にイカした感じで刻まれていたりって、なんかカッコ良くないですか?

それがまた、無骨な男気を感させてくれたり、なんというか…

とにかく、カッコいいですよね!

また、更にビートがクオンタイズビッタリ(例えば、ビートが16分音符であればそのタイミングにジャストになっている様)じゃなくて、

少しよれてたりして、ひたすら中毒性のあるビートが繰り返される感じがカッコいいんだと私は思っているんです。(もちろんそうじゃなくてもカッコいいトラックは沢山ありますけど。)

だけど、やはりあの質感はカッコいい !ということで、私が無駄に長年の経験から得た、“あの質感”の出し方をご紹介いたします。

※ここで言う“あの質感”とは私の超個人的主観から導き出される“質感”のことであって、必ずしも一般的な“質感”と一致するかどうかはわかりません。

他にも方法は無限にあると思いますが。

ここでご紹介する方法は3点です。

  1. 形から入る(精神論)
  2. サンプリングしてピッチを落とす
  3. クオンタイズをかけずに打ち込む

ということをお話しします。

質感の出し方その1 とにかく形から入るしかない!

形から入ることが重要であります。いきなり精神論になります。

まずは、最初の形、“服選び”から。

ヒップホップトラックメイカーの容姿についてイメージはありますか?

では早速、憧れのトラックメイカーやあなたが勝手にイメージするトラックメイカー風の服装に着替えましょう!

着替えましたか?

では、次の形、“機材選び”に行きましょう。

これもまた最重要項目でありますが、

“あの質感”を出すだけならDAW(Digital Audio Workstation)、要するにパソコンにインストールした作曲なんかに使えるソフトにおいて、MIDI鍵盤で上手い具合に打ち込んだりしてもできるとは思うのですが、率直に言いますと、【ソウル】が乗らないのです。

一方、MPCとかの名機と呼ばれるハードウェア機材でトラックメイクすると、自分のソウルの持ちようが変わるのです。

伝説の名機AKAI MPC 4000

なお、ハードウェアとソフトウェアについて考察した記事はこちらです。ご参考にしてくださいね。

どっち?趣味でヒップホップのトラックメイク ハードウェアかソフトウェアか

ハードウェアは、確かに不自由さだったり、面倒臭かったりするのも確かですが、「今のオレはトラックメイカーだ」という大事な自覚を得ることができるのです。

趣味なんだから、成り切れればそれだけで楽しいからいいんです。

十分幸せです。

さて、これで“あの質感”を出す準備は整いましたね?

続けましょう。

質感の出し方その2 サンプリングしてピッチを落とします

私がROLAND MC−909でひたすら行なっていたように、単音(ピアノの音、ギターの音等の単発)でヒップホップトラックを作成していた時は、“あの質感”はまったく出せませんでした。

しかし、伝説の名機と出会った瞬間に私のトラックメイカー人生は大きく変わりました。

私は発見したのです。“あの質感”の出し方を。

私がMPC 4000使いとなり1番の発見は、サンプルを見つけてサンプリングし、ピッチを落とすなどされたサンプルが“あの質感”をまとっていることでした。

そうです、サンプリングしてピッチを落とすだけで“あの質感”が出るのです。

パッドを叩いた瞬間、サンプリング前のサンプルとは全く異なる、“あの質感”をまとった新たな音との出会いがあります。

大げさではありませんから、試してみてください。

サンプラー(実際はソフトウェアでも可)があればできますから。

実質的な問題として、ピッチを落とすことでそのサウンドの調が変化し、同時にテンポも変わります。

そのサンプルをチョップしたり(任意の場所でサンプルを分割すること)、エフェクトをかけたりするなど、色々と手を加えることで、

あなたのオリジナル音色が出来上がり、その音からさらにあなたの感性がインスパイアされるなどした結果、

唯一無二の“あの質感”のサウンドが生まれる

という仕組みなのです。

あとはパッドを叩くトラックメイカーのセンス次第であり、何度でも繰り返し聴きたくなるような最高のループを作り出せればもはや勝ちも同然なのです(何に勝ちかは人それぞれ)。

質感の出し方その3 打ち込みはノークオンタイズで、です

というようなことは素晴らしいトラックメイカー達がよくおっしゃっています。

私自身もその言葉に影響されて、リズム隊(キックやスネアなど)でノークオンタイズを試したりしましたが、明らかにリズム感のない、全くノレないトラックが量産されました…

私には無理だということでしょうか?

それには理由があったのです。

当時の私のノークオンタイズのリズム隊を取り入れたトラックがなぜノレないものに成り果てたのかを今考えますと、

リズムトラック以外の要素(上物やベースのこと。例えばメロディを司る音色とか。)はクオンタイズバリバリのカッチリした打ち込みがされていたのに、ノークオンタイズのリズム隊が打ち込まれたからだったのです。

例えるなら、整列して行進している人たちの中に、突然バラバラに歩いている人たちが入るようなものです。

「並んで歩こうよ!」てなりますよね?

まあ、感性の問題ですから、そういうやり方でも良いトラックはできるのかもしれませんが、基本的には上物達のリズムとのバランスを上手く取る必要があるでしょう。

まとめると、私の作曲方法としては、基本的に上物から作って、その後でリズム隊を組むスタイルなのですが、

上物がジャストタイミングで打ち込まれている所に、よれたビートを突っ込んだため、必然的に全く乗れないサウンドが出来上がったということです。

私はこのことに最近気がついたので、作曲するときはビートから組もうかなと思い始めた今日この頃です。

さいごに

ヒップホップトラックの“あの質感”の出し方について、何点かお伝えしてきました。

これを言ってしまうと、今までの話はなんだったんだ?という話になりかねませんが、大切なのでお話すると、

質感とかなんとか言ってきましたが、結局は自分がカッコ良いと感じたり、気持ちいいと感じるトラックができれば、それでいいんだと思います。

人それぞれ音楽には好き嫌いがあることは、揺るがない事実でしょうし、

まずは自分が楽しむ為に音楽をやっているんですから、自分の好きな質感を目指して作っていけばいいんだと思います。

自分を信じて“自分の“質感”をふんだんに盛り込んだトラックメイクを楽しんでいきたいですね。

では、良いトラックメイキング生活をお送りください!

あなたの“質感”を盛り込んだトラックをお聞かせください。

メールにてサウンドクラウドのリンクを送る方法で聞かせていただきます。