どっち?趣味でヒップホップのトラックメイク ハードウェアかソフトウェアか

こんにちは。

突然ですが、これまで全く音楽をやってこなかったという方でも、ヒップホップのカッコいいラップを聴くと感動しますよね?

そしてよくよく聴いてみると、確かにラップもものすごくカッコいいんですけど、トラックがそれに拍車をかけていることに気がつくはずなんです。

トラックがカッコいいからこそ、ラップがさらにカッコよくなっているんだ〜、と。

そうすると少し自分でも「ラップ音楽をやれないかな?」とか考えて、

「ラップは前面に出ないとダメだし、少し敷居が高いので、裏方的なトラックメイキングにしよう!」と考えることになります。

何を隠そう、以上が私の独学ヒップホップトラックメイクのスタートの経緯なのです。

さて今回は、きっかけはともかくとして、私のように趣味で独学ヒップホップトラックメイキングを始める際に、どんな機材が必要となるのか、についてのお話になります。

機材には、大きく分けてハードウェアとソフトウェアの選択肢があり、始めたばかりの方はどちらを選ぶべきなのか、

絶対に迷うはず

なので、私の長いトラックメイキング生活から考える、

「ハードウェアとソフトウェア、トラックメイキングをこれから始めるならどちらがおススメか」

ということに焦点を絞り、これからお話しさせていただきたいと思います。

※このブログでの「トラックメイク」「トラックメイキング」とはラップの曲作りのことを差します。

1 普通に考えた結論

特にこだわりがなければ、ソフトウェアです。

理由は、圧倒的に制作の手間がかからないからです。

手間がかからないということは、あなたのインスピレーションをそのまま音に繋げやすいということも言えます。

ただし、製作スタイルがサンプリングCDなどからサンプリングするスタイルかそうじゃないかで選ぶべき機材が変わりますから、

例えばサンプリングスタイルであれば、サンプリングの作業がどうしても必要になるので、

その場合はソフトウェアでもハードウェアでも手間は変わらない場合があります。

いずれにせよ、ソフトウェアベースの環境であれば、ハードウェア環境で行うほぼ全てのことが実現できることは間違いありません。

ショートカット系の機能も豊富であり、作業スピードも圧倒的に早くなっていくことも魅力の一つです。

サンプリングCDなどデータからサンプリングする場合もクリック&ドラッグなどで、サンプリングし、ハイスピードで編集、DAWでの構築が可能ですから、全てがスピーディーに感じます。

したがいまして、これからヒップホップのトラックメイキング人生をスタートする方には、迷わずソフトウェアベースの環境を構築することをお勧めします。

2 ハードウェアはどうなのか

そうなると、ハードウェアを選択する利点はないのか?という話になりますね。

実は私はハードウェア信者なので、気持ちとしてはみなさんにもハードウェア環境の構築をおススメしたい気持ちを、グッと抑えているのですが、

スピード、快適性などを考えれば、やはりソフトウェアにはかなわず、素直におススメできないもどかしさがあるのです。

ですが信者として一矢報いるため、以下に、ハードウェアの利点をお伝えします。

(1)精神的プラス面

ハードウェアは、その不便さを払拭する程の利点を与えてくれます。

第1に、アーティスト感をあなたにもたらします。

人生で最も重要なアーティスト感です。

人はマインドセットが全ての結果を左右するからです。

例えば私が所有するAKAI MPCでは、トラックを構築している時、

具体的に言うと、あの“16パッド”を無心に叩いている時、

「もはや私はアーティスト以外の何物でもない…」

そう感じさせてくれるのです。

つまりハードウェアを購入した瞬間に、初心者であろうが、玄人であろうがアーティストになれるということなのです。

マインドの力を侮るなかれ!

クリエイティブな行為におけるマインドというのは、成果物、つまりヒップホップトラックの出来栄えにも大きく影響します。

マインドがトラックに反映されるのです。

なお、プロトラックメイカーはそんな条件関係ないのかもしれませんが、

趣味トラックメイカーにとっては非常に重要なポイントになります。

自分のトラックが上手にできればできるほど、そのおかげでトラックメイクという趣味を続けて行くことができ、結果、人生が豊かになります。

それは本業の仕事や、私生活の色々な場面で良い影響を与えてくれることは自明であります。

マインド的な観点ではもう一点あります。

ハードウェアが奏でる音は“生きている”ように感じるのです。

「こいつ頭がおかしい」と思いましたね?わかります。

しかし、

よくハードウェアは音がいいとか太いとか、雑誌かなんかで見たことありません

これはハードウェア信者の言葉です。

※もしかしたらマインド的なだけではなく、実際にそうなのかもしれませんが。

私はそんな突出した音楽の才能はありませんから、ソフトウェア音源の音と、ハードウェア音源の音、どちらがいいのか正直言うとあまりよくわかりません。

しかし、音が生きているという感覚は確かにあるのです。

例えば、音を鳴らした瞬間、

ドキッとする感じです。

「キタッ!これだ!」と思える音によく出会うのです。

それは、例えば同じサンプリングCDからハードウェアサンプラーにサンプリングしたとしても、

ソフトウェア音源の音をハードウェアサンプラーにサンプリングしたとしても、

ハードウェアの方が音に生命が吹き込まれる感覚を私は得るのです。

自分が選定した音への愛着なのか、ハードウェア機材への愛着なのか、原因は定かではありませんが、確かにそのような感覚はあるのです。

なお、アーティストのKREVAさんも、サウンドアンドレコーディングマガジンで、一度AKAI MPC3000に音を取り込んでトラックを構築しているという話をされています。

もしかしたら私と同じような感覚があるのかもしれないなぁ、いや、同じだといいなぁと密かに思っている所です。

(2)実質的な面

ハードウェアの利点は上記のような精神的な面だけではありません。

実質的な面でも利点が存在しますので、その一つを紹介します。

ハードウェアはシーケンサーという演奏を記録して自動的に再生できる機能があれば、その記録のためにリアルタイムで自分で演奏することになります。(ステップ入力だけで行く方は別ですが。)

つまり、マウスでぽちぽちとMIDI入力するのと異なり、自分で演奏することで偶発的に発生する音と向き合う場面があるのです。

世の中は不確定なもので埋め尽くされています。

トラックメイキングも不確定なものを取り入れることで、自然の摂理に近づくことができるというロマン?もあります。

そして、その偶発的パターンが良いか悪いか、それを瞬間的に判断して制作に反映していく行為。

それはまさに、自らのセンスをトラックに反映する行為ということなのです。

すなわち、あなたのオリジナリティに直結する行為であるということになります。

鍵盤の配列とは異なるAKAI MPCのような16パッドは、適当に叩くだけで偶発的な音の組み合わせにより、

既存の音楽とは一線を画した、型にはまらない音像を作り出してくれることもあるのです。

よくギターで作曲する場合と、ピアノなどの鍵盤楽器で作曲する場合は結果が異なると言われますが、それと同じようなものです。

鍵盤で作るのと16パッドで作るのでは、結果が異なるのです。

まとめ

以上が、ヒップホップのトラックメイクを始めるにあたり、ハードウェアがいいのか、ソフトウェアがいいのかについて私の考えをお伝えしました。

結論としては、特にこだわりがなければソフトウェアがいいと考えます。

逆に、例えば素晴らしいレジェンドトラックメイカー達に想いを馳せ、自分にもそのソウルを宿して作っていきたいというようなこだわりがあれば、ハードウェアしかないでしょう。

ただ何れにしてもパソコンないしMAC、オーディオインターフェイスは必要となりますのでそこだけお気をつけください。

なお、トラックメイクを始める時に必要な機材についてはこちらで軽く紹介していますので、参考にしてみてください。

https://shusaku-dokugaku.com/hiphop-track-buy/

それでは良いトラックメイカー人生をお送りください!