こんにちは。
私は独学でトラックメイキングをしている傍ら、コツコツとオリジナルラップを作って遊んでいるのですが、芽が出ることなく、かれこれ20年近くが経ちました。
私はトラックメイカーが成長するためにラップをやることをオススメしておりますが(その必要性についてはこちらの記事で紹介しています)、具体的に、「じゃあリリックはどうやって書けばいいんすか?」という疑問にお答えすべく、私の独学で編み出したリリックを書く方法についてお伝えしたいと思います。
※このブログで「トラックメイキング」とはラップの後ろに流れている曲作りのことを差します。
まず何から始めるか
私の場合は、例外なくヒップホップトラックを聴きながらリリックを書きます。
ご存知の通りヒップホップトラックには様々なタイプが存在します。
タイプとは、楽しい曲調、悲しい曲調などのことです。
そしてヒップホップトラックには、それぞれに聴いた時に感じる世界観・テーマ的なものを、あなたの感性で感じることができるはずです。
もちろん、人それぞれ感じ方は異なりますが、それが個性というものにもなるでしょうから、正解はないということは知っておいてくださいね。
あなたがオンリーワンであることの証なのです。
そしてあなたが、そのヒップホップトラックのテーマに合うリリックを、自らの感性を信じて書いていくことになります。
トラックが手元にない方については、以下のトラックをご自由にお使いください。
なお、このトラックの製作手順を以下の記事で紹介していますので、よろしければお読みください!
リリックの検討方法
検討の前提となるもの
前述のとおり、トラックの世界観やテーマに合わせてリリックを構築していきます。
この作業は、まさにアーティスト活動そのものであり、面白いところでもあります。
世界観やテーマについて大まかなイメージができれば、次の2つの方法でリリックを構築します。
一つ目の方法はフロウから検討してリリックを構築する方法です。
もう一つの方法は使いたい言葉から広げてリリックを構築する方法です。
なお、いずれもライム(韻)についてもしっかり検討していきます。
1 フロウからの構築
では、まず一つ目の方法であるフロウからの構築です。
フロウというのは、ラップにおける歌い回し、メロディのようなものだと考えてください。
リリックが無い状態ですから、とりあえず母音の「めちゃくちゃ語」で作ります。
目を閉じて、ビートに感覚を委ねて、自由に
「ああうああうあああああうあい あああああいうあああうあい」
などと自然にラップっぽく歌ってみてください。
ただし、誰かから見られたら赤面ものです。
それはさておき、
めちゃくちゃ語で歌うと、何となく洋楽ちっくな、意味は不明だがなかなかイケてるフロウが生み出されることがあるはずです。
まずはそのめちゃくちゃ語を紙に書いてみましょう。
※注意!この状態で作業から離れると、せっかく考えたフロウを忘れるため、めちゃくちゃなだけの全く役に立たないメモになってしまいます。作曲でメロディを考えついても、すぐにメモをしないとまるで水の泡のように、忘れてしまうのと同じです。
というわけでここから、このめちゃくちゃな母音だけをヒントにリリックを構築するのです。
このめちゃくちゃ語の事例であれば、例えば韻を踏む部分(ライム)である末尾の「あうあい」という母音を持つ言葉を探していく方法が考えられます。
「ああうああうああああさすらいあああああいうああサムライ」
という感じで、当てはめていくのです。
どうしてもリリック先行だと、フロウがリリックに決められる感覚が私にはあるので、フロウから考える方が私は好きです。
2 使いたい言葉からの検討
リリックを書いているとどうしても使いたいカッコいい言葉が思い浮かぶことがあると思います。
その時はその言葉を手掛かりに逆算してリリックを書く方法があります。
例えば、「ナマケモノ」という言葉をどうしても使いたい!というのであれば、1小節の末尾に「ナマケモノ」という言葉をとりあえず配置して、次の小節の末尾で同じ母音を書いてみるのです。
※具体的にはこんなイメージ
「○○○○○○○○ナマケモノ○○○○○○○○ああえおお」
(「ナマケモノ」の母音は「ああえおお」)
「○○○○○○○○ナマケモノ ○○○○○○○○川へ戻(る)」
(「川へ戻る」の母音も「ああえおう(う)」)最後の「る」は弱い発音で。
という風に紙に書いて、あとは「○」の部分を埋める形になります。
または、フロウからの検討とミックスして、使いたい言葉以外の部分はめちゃくちゃ語を当てはめても面白いでしょう。
まとめ
初心者がどのように進めたらリリックがスムーズに書けるのかについて、一つの方法を紹介させていただきました。
ぶっちゃけ自由に書ければそれでいいんですけど、慣れないうちは簡単にはいかない方もいるのではないかと思います。
趣味ですから思い切って色々書いていればあなたの色が出てくるものだと思いますので、私の方法も参考の一つにしていただきながら、作ってもらえればうれしいです。
では良いラップ生活をお送りください!